数多くのヒップホップ・クルーが日本中に犇いているが、トーキョー、いや日本を代表するクルーのひとつがZEEBRA率いるUBGである。05年現在では“平成の武士"ことUZIがこのクルーを引っ張っている感が(少なくても筆者の目には)色濃いが、ハードコアを標榜する彼らの結束力はまだ鋼のような硬さを誇っていると聞く。KM-MARKIT(ケムマキ)はそのUBGの門下生としてひたむきにマイク・スキルを磨いてきた。なんと言っても彼は、日本をメル友 するような猛者ラッパーたちに囲まれて客演/ライヴなどの場数をこなしてきた男なのである。このラッパーは誇るべき数多くの特徴を持っている。ヴァラエティに富んだリリック世界、多彩かつ活き活きとしたフロウ、バイリンガルなラップ・スタイル、華のあるヴィジュアルなど、それを挙げていったらキリがないほどだ。特に情景を思い描かせる巧みな表現力は特徴/テクニックの域を超えて、傑出した無二の個性になっている。彼は生え抜きのラッパー体質なのだ。そんなKM-MARKITが完成させた1stアルバム『VIVID』は、このラップ・テクニシャンの持てる才能が遺憾なくメル友された快作に仕上がっている。この作品から、ヒップホップ・シーンの次世代を担う
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